人生を変えていく

読書記録などアウトプットの練習

【読書記録】『眠りの森クリニックへようこそ』

『眠りの森クリニックへようこそ』田丸久

 

睡眠に悩んでいるひとが受診にくる眠りの森クリニック。

合歓木院長は患者の話を聞きながら眠れない本当の原因を見つけ、睡眠薬以外の方法でさりげなく皆を安らかな夜へと導いている。そんな合歓木先生は気づいたら寝ているような穏やかなひとだ。

私も看護師になり夜勤のある不規則な生活のせいか不眠気味である。一人暮らしも長く、「おやすみ」「おはよう」のない生活を送っている。

穂波のように、好きな人と交わす「おやすみ」「おはよう」があれば安心して眠れるのかもしれない。

交通事故で両親を亡くした薫と歩の姉弟。ふたりがふたりを気遣い支え合っている姿が、きょうだいっていいなと感じさせてくれた。経済的な問題からも大学進学を諦めていた歩。しかし、隣人 秋峰の奨学金のアドバイスなどもあり、進学することを決めた。

「このまま就職したら、どうしてあのとき頑張らなかったんだろうって後悔すると思う」

「逃げずにチャレンジしてみたい」

最近私も選択肢があればできるだけ楽ではないほうを選ぶようにしている。歩と同じように、あのときチャレンジしとけばよかった と思いたくないからだ。

 

「眠り」を通して登場人物それぞれの悩みや葛藤、そしてそれを支える周りのひとの温かさを感じられる一冊であった。